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 セクシャリティ、つまり性的メンタリティというのは中々微妙で難しいらしい。
 そのうえ、性別というのは個人のアイデンティティの生物的根幹を成すものだから、簡単に扱うわけにはいかない。決して軽く扱ってはいけないのだ。
 調べ物をしてて、こういう文章を見つけた。
http://anond.hatelabo.jp/20080128015226

 ・・・以前、付き合ってた女性(前カノ)が、こういう人物だったのではないか、と思う。
 可愛い少女や上品な貴婦人然とした女性に強い憧れを持つのだが、レズビアンと言うわけでもなく、かと言って男性と激しい恋に落ちる、というわけでもない。
 私と彼女は、いわば「友達」兼「恋人」とも言うべき間柄だった。
 男同士のように国際情勢や政治、歴史や文学、音楽や美術の事を熱く語り、時に議論にもなる。
 会話だけ文字として拾えば、おそらく恋人同士の男女の会話には見えないだろう。
 はっきり言って男っぽい女、良く言ってボーイッシュな女性だった。(遠目に美少年に見えない事も無い)
 彼女も常々「私たちはまず友達だからね」と言っていた。

 (言うまでも無いが私はれっきとしたノンケである。一時期悩んだけどよく考えたら兄貴動画のパンツレスリングをゲラゲラ笑い転げて見ている人間がノンケでも平気で食っちまうガチホモであるはずが無いのだ)

【ニコニコ動画】本格的 ガチムチパンツレスリング

 (また、アメリカのTVドラマ『Lの世界』の女優で、実際に本物のレズビアンの「立ち役」(「男役」)でもある女性(名前は忘れた)を見たが、あまり魅力的とは思えなかった。顔つき、特に目つきが男だったからだ)

 だが、そんな彼女と私は男女としても激しく愛し合うのである。
 二人っきりになれば互いを求め合い、強く抱きしめれば腕の中で、手折られる草花のように弱々しく身を反らす。唇を合わせれば吸い合っていつまでも離れない。
 私の大きな手の中で揉みしだかれる乳房は張りがあり形が良くて柔らかい。
 気分がささくれ立って疲れている時の私は彼女に甘え、まるで乳飲み子のように大きな乳房にしゃぶりつくのだが、彼女の母性本能をくすぐるのか、幼子をあやす母のようなとても優しい表情になった。
 また彼女も私の性器を口に含み、舌で愛撫してくれた。屈辱的ともされる行為で嫌がる女性もいるが、彼女にしてみれば「ご奉仕」というより、疲れ切った恋人に対する「労わり」では無かったか。
 男っぽいと周囲から言われ、またその性格が男女問わずに好かれた彼女だが、本当はとても優しくて思いやり深い「女性」だったのだ。
 ベッドの中の一糸まとわぬ彼女は、ショートカットのボーイッシュな顔立ちとはいえ、かなりグラマラスな身体つきであった。鼻筋の通った整った顔立ちの、凛とした空気をまとった、色白の美人だった。

 付き合い始める以前には想像も付かなかったのだが、手作りの料理もよく作った。
 デートのたびに自分が焼いたクッキーをよく持って来てくれた。
 そういう事をめんどくさがってやらない女に見えたのだが、とても嬉しい驚きだった。
 また、愛らしいキャラが大好きで、一番のお気に入りはピカチュウ。
 
 ごく親しい間柄の人間に垣間見せる姿は、やはり普通の女の子なのである。
 ただ私が一歩踏み込んで、より女性的な装い・立ち居振る舞いを要求すると、たちまち困惑した。
 「愛している」という一言を願うと、嫌がった。
 セックスフレンド、というわけではない。そう聞かれたら二人とも口を揃えて否定しただろう。(でなければ冗談にしてしまったか)
 軽薄な関係ではなく、お互いを大事に思っているには違いが無く、いや間違いなく愛し合ってさえいるからだ。
 彼女が拒否したのは恋愛ではなく、「女」としての「役」なのである。
 
 自分以外の魅力的な女性には憧憬するのだから、女性自身によるミソジニー(女性嫌悪)では無いのは確かだ。むしろ賞賛すらしている。
 自分が女である事に、違和感があるらしい。
 世間に流通しているステレオタイプの女性像と自分に、深い溝を感じているのだ。
 私はありがちな男尊女卑主義者ではなく、逆にそのような時代錯誤も甚だしい低脳男には怒りすら覚えるのだが、そのような性格だから彼女に「女性的」な事「女らしい」事をあまり要求しない。
 ただ、もう少し女の子っぽくなってくれた方が嬉しいかな、と思う事があるくらいである。
 だがそういうささやかな願いにも、応じる事は無かった。
 
 おそらくは自分の心身の女性的な部分に、強い劣等感があったのではないか。
 だからこそ、自分よりはるかに女性的に見える女性に憧れたのだろう。
 が、自分が女を演じる事にはやはり自信が無く、そんな事をすればたちまちボロが出てしまう、そう考えていたのかも知れない。
 不思議な話だが、女である彼女に女性の恰好をさせる事は、本人にすればそのまま羞恥プレイとなるのである。
 (彼女は自分が女らしい装いをするのを「女装」と呼んで避けていた)
 こういう女だから、自分が女として男の恋人と看做されるのは、とても恥ずかしいのだ。
 男への女としての思慕の念を「友情」「師弟愛」と言い換え、自分の「想い」をごまかすしかないのである。 
 女の子としてではなく、弟子、弟分として可愛がってもらうのなら、恥ずかしくは無いのだ。
 (たとえ実際に子弟であっても、「男女」になってしまえばもはや純然たる師弟関係とは言えないのだが)
 もちろん現実の彼女は女であり、男に抱かれる事に喜びさえ感じているのだが・・・。
 私はこの事に気付かず、ずいぶんと彼女を苦しめたに違いない。
 もう少し、彼女を思いやれば良かった。
 付き合っている間、恥ずかしそうに、冗談めかして一言言った事がある。「お慕いしています」。
 女なのに劣等感ゆえに女になり切れない彼女の、精一杯の言葉だったのだろう。

 彼女もそうだが、私にはボーイッシュまたは一見男っぽい女性の方が、実際には慎ましやかで奥床しい恋人になるのではないか、と思える。
 女である事を謳歌し、それを誇示さえしているような女性には「おしとやかな」人は少ない。
 女性としての自分に劣等感があり、女になり切れない女ほど、その自信の無さゆえか恋する相手の男には受動的で慎重であり、このありさまがいかにも少女っぽく見える。奥床しい慎ましやかな女人に見える。
 私の前カノはまるで男みたいに議論する、とても聡明な女性であり、頭の良い女性にこそ強い性的魅力を感じる私が夢中になるのに時間はかからなかったが、今思えば時折見え隠れした少女っぽい初々しさ、可憐と言っても良い仕草・表情にも惹かれていたのだろう。
 (アイマスの菊地真の性格設定は慧眼だと思う。ボーイッシュな女の子の方が実はガーリーなのだ)
http://dic.nicovideo.jp/a/%E8%8F%8A%E5%9C%B0%E7%9C%9F

 『まことちゃんの歌』。歌うのは楳図かずお先生ご本人。


 つまるところ、私は彼女が「女」らしかったからこそ、愛したのだろう。
 
 

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