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 12月ですね。またあの季節ですね。
 クリスマス?いやいや、忠臣蔵ですよ。


【ニコニコ動画】悪徳商人が【吉良ッ☆Ⅱ】星間飛行【忠臣蔵】歌ってみた
(吉良上野介の領地である愛知県は言うに及ばず、生まれた江戸でさえ当時は上方より文化の遅れた土地であった。上方の武家を田舎侍呼ばわりできる筋合いではない。あくまでフィクション上の操作、捏造だろう)

 日本人は昔からリベンジ大好き民族だからねぇ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%87%E8%A8%8E%E3%81%A1
 いや、民族を問わず人間は復讐劇が大好きらしい。
 ギリシャ悲劇なんかは半分以上が復讐の物語だし、シェイクスピアの作品も『ハムレット』は言うまでも無く『マクベス』『タイタス・アンドロニカス』『リア王』など、何と四大悲劇のうち三つまでが復讐悲劇なのである。(後の一つは『オセロー』。「オセロゲーム」の命名の元ネタ) 悲劇ではない、雰囲気の明るい『テンペスト』も復讐劇だな。
 ギリシャ神話には復讐の女神が何柱もおり、復讐の内容によって担当部署が分かれているほどである。
http://www.hampen.net/pandora/melpan/melpan049.html
 私が一番好きなスーファミのゲーム『メタルマックス2』も復讐の物語である。

【ニコニコ動画】メタルマックス2 お尋ね者との闘い/U‐シャーク
 (このうp主はよくわかっている。復讐する者は全てを失い、得るものは何も無いのだ。家族を殺した怪物を捜し求めるビイハブ船長の船の名前はネメシス号。ギリシャ神話の復讐の女神である。船上のBGMも「ネメシス」。ビイハブ島で流れる物悲しい楽曲は「流れ者の歌」。仇を求めて流離う復讐者は悲しい流れ者なのだ)

 日本三大仇討ちの中で規模・知名度ともに最大のものが忠臣蔵だが、世界的にも有名である。
 ティモシー・ザーンの『ブラックカラー』はSF版忠臣蔵だと言われているし、現在アメリカでは『ローニン47』という映画(翻案?『荒野の七人』みたいなもんか)が、キアヌ・リーヴス主演で制作が進められているらしい。
http://eiga.com/buzz/20081211/3/ 
 復讐という行為に伴うカタルシスと、関わりあった人々に降りかかる様々な悲劇、そして遂げられた後の虚しさ・・・復讐の物語には見る者を陶酔させる要素が目一杯あるが、当事者にすれば負担の大きい大事業である。
 近年の研究では、大石内蔵助は有能な人物ではあったが、同時に酒好き女好きでもあったそうな。
 遊蕩に明け暮れる日々は吉良一派のスパイの目を欺くためではなく、仇討ちを急き立てる無責任な世間の声に対する苛立ちと、計画実行への逡巡からくるストレスを紛らわすためであった、とも言われている。
 忠義という、やや古めかしいが日本人が大好きな美徳と、それを大義として遂行される英雄的行為。悪は滅び正義が勝つ単純明快な爽快感。
 だがそれだけだろうか。
 吉良上野介は元の領地である地元・吉良町では未だに名君とされているし、一方の浅野内匠頭は人格に障害があったのではないか、という説もある。
 浅野家の赤穂藩は元禄の世にあっても未だに戦国時代に近い人員編成であり、従って無駄に費用がかかるため、これが重い年貢となるので領民には評判が悪かった。吉良家とは対照的なのである。
 一説によると、浅野内匠頭切腹の報を聞いた領民には隠れて赤飯を炊く者もいたと言う。
 一応、平成2年には「和解」した赤穂市と吉良町だが、わだかまりが完全に無くなったとは言い切れないらしい。
http://www.town.kira.lg.jp/pub/machi_
syoukai/shinzen_chushingura/index.html

 映画やドラマでは、討ち入りは浪士たちと吉良家家臣たちの壮絶な死闘、とされているが(見せ場の一つだからね)、実際には討ち入り側による一方的な虐殺だったそうだ。ただの押し込み強盗みたいなものだ。

 赤穂浪士討ち入りを題材にした人形浄瑠璃および歌舞伎の演目に『仮名手本忠臣蔵』がある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%AE%E5%90%8D%E6%89%8B%E6%9C%AC%E5%BF%A0%E8%87%A3%E8%94%B5 
 これを扱った落語は多い。
 歌舞伎役者の物語に『中村仲蔵』『淀五郎』、見立て(パロディ)ならば『蔵丁稚』『蛸芝居』『七段目』など。先に挙げた『小倉船』にも一節が登場する。

【ニコニコ動画】忠臣蔵特集 落語 「淀五郎」 金原亭馬生


【ニコニコ動画】落語 笑福亭松鶴(六代目) 蔵丁稚
 
 江戸落語にはシリアスなものもあるが、上方落語ではやはり仇討ちはパロディの対象なのである。
 仇討ち。復讐者つまり当事者が乗り気であるとは限らない。


【ニコニコ動画】ラジオ図書館「筒井康隆特集2・ワイド仇討ち」

 上の筒井作品では、登場する復讐者の大半が、嫌々ながら止むに止まれぬ事情から仇討ちの旅に出発している。当事者にとっては(違う意味でも)悲劇なのだが、無関係な世間からすれば格好の憂さ晴らし、この上ない娯楽となる。その様子が幕末明治に登場した新聞というマスメディアを利用する事によって鮮明に、しかも滑稽に描かれる。
 有名になりチヤホヤされる仇討ち一行もスター気取りだが、いつだってギャラリーは無責任なものである。
 ・・・実際、不本意な仇討ちのケースは少なくなかったんじゃないだろうか。
 忠臣蔵の四十七士にしても、会社が倒産して無職になったサラリーマンみたいなものだ。
 現代でも無職というのは不安で心許ない立場だが、江戸時代、特に武士という「職業」はつぶしが利かない。
 それは明治初期の頃の「武家の商法」から見ても一目瞭然である。(明治維新は全国一斉に「武士」という職業が無くなったのだから元禄の頃に比べればまだマシかも知れない)
 吉良邸討ち入りにしたところで、浪士たちの忠義ぶりのデモンストレーション、いわば就職活動ではなかったか、という見方もあるのだ。
 特に武門の家であり戦国時代の匂い(既に時代錯誤も甚だしいものであった)を色濃く残す浅野家の元家臣にしてみれば、他の家中の武士より武士以外への転職は難しかったのではなかろうか。
 (討ち入りまでに町人に身をやつした者もあったが、これは「本懐」を遂げるまでの辛抱だから我慢できたのだろう。吉良一派の偵察のための仮装、というのもあった)
 日本人は特に帰属意識にこだわる国民である。「祖国」(江戸時代は現代の連邦制に近い統治だった)を失うのは会社が倒産したりリストラされたりするイメージにつながりやすい。
 筒井康隆の『ワイド仇討ち』の復讐者たちは次第に旅を楽しむようになる。仇討ちは大変な仕事だが、藩と言う狭くて堅苦しい枠から解放されてウキウキしているのである。加えて世は「ご維新」である。幕藩体制も無くなって、仇討ちもやらずに済むかも知れない。
三船敏郎も出ているそうな。真ん中は森繁久彌か? これは筒井本人が小説家という自由業の人であり、しかも長らく(今でも?)尊敬される事が無かった職業であるSF作家だからだろう。SF作家には報われない者特有の、しかし自由人としてのプライドがあるのだ。
 筒井にしてみれば仇討ちなど不合理極まりない上に滑稽な、会社人種の行動様式の最たるものに見えるのだ。

 忠臣蔵はただの復讐劇ではない。サラリーマンの悲劇でもある。殺された人にはいい迷惑だ。

 

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