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【ニコニコ動画】【MAD】まんが日本昔ばなし 

 ここ数日、『まんが日本昔ばなし』にはまってます。
 日本人または日本に何十年も住んでいる外国人で、このアニメを知らない人は居ないのではないか、というくらいメジャーな作品ですな。
 数年ぶり(再放送が2005年10月19日、ちょうど三年前の今頃にあった)に某動画サイト(笑)で見ているわけですが(仕方が無いよDVDになってないんだから)、面白いですよこれ。

 で、まとめて見ているうちに気が付いた。
 創作昔話はおろか、落語を翻案したと思われるものも結構多いのである。
 わかりやすい例が『地獄のあばれもの』という一編。

【ニコニコ動画】まんが日本昔ばなし 地獄のあばれもの

 藪医者と山伏と鍛冶屋(落語では鍛冶屋ではなく軽業師と「歯抜き師」)が死んで、横暴な閻魔のいい加減な裁きで地獄に落とされ、これにそれぞれの知恵と技能で立ち向かい、ついには閻魔をやりこめてしまうストーリーの落語、といえばご存知の人も多いだろう。
 実はこれ、戦後長らく廃れていた上方落語のネタで、桂米朝が発掘して現代風にアレンジしたものである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%8D%84%E5%85%AB%E6%99%AF%E4%BA%A1%E8%80%85%E6%88%AF
            ・
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug101.htm
 『まんが日本昔ばなし』ではわずか10分ちょっとにまとめているが、実際のものはフルで演じると70分を優に越える大ネタである(私の手元にあるのは弟子の枝雀のものだが、前後編に分けて演じている)。
 鯖に当たって死んだ亡者やあの世の観光案内係、三途の川の船頭の鬼から閻魔大王まで、登場人物も多彩で数が多く、その演じ分けだけでもかなりのテクニックと体力が必要とされる。
 またこのネタ、時代時代や演者によってそれぞれアレンジされて演じられるのが「前提」という、面白い特徴がある。ちなみに桂枝雀版だと三途の川の渡し舟にはカーフェリーも登場(交通事故の死者が利用w)、車でない「お客」に対してもコンピュータ制御の自動化船が使われた事があったが、故障の多発により観光資源も兼ねて鬼が漕ぐ古いタイプが復活、という件がある。(昔テームズ河でも船頭をやっていたという鬼の船頭によると「チャリティーシップじゃないから渡し賃が必要」だそうだ。亡者の死因によって料金が違うが、その死因のあれこれと応対に追われて四苦八苦する船頭の様子がおかしい)
 この『地獄八景亡者戯』(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)の例などは、意図的に翻案されたものだと思うが(最初の形のものは天保年間に遡るのだから、著作権は余裕でセーフ)、大変興味深い事に、どうやら古い落語の噺(古典落語でも「口偏」に新しいと書くのが面白いね)がまんま民話となったものもあるようだ。


【ニコニコ動画】まんが日本昔ばなし 「お三ギツネと甚べえ」  

 この『お三ギツネと甚べえ』などは古典落語の『高倉狐』(江戸落語では『王子の狐』)のコピーである。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakugo50.htm
 だが、『まんが日本昔ばなし』によると、これは福岡の「伝説」なのだ。
 なぜこのような現象が起こったのか。
 戦後の上方落語復興の大功労者であり、落語の研究家としても東西随一の大家である米朝師匠はこう書いている。
 舞台が大正時代の地下鉄(実際には日本初の旅客用地下鉄は昭和2年に開通)という最終epを除いて、ほぼ大半は「昔話」だったわけですけどね、「モノノ怪」も。この人は実際に薬の知識もあるらしい。 「(『いもりの黒焼き』というネタについて)・・・民話に、これと似た話を、岐阜県の飛騨のあたりで見つけたことがあります。民話の中には「じゅげむじゅげむ」などもありますが、旅の薬売りなどが、おもしろい話を仕入れては地方各地を持って回ったのが残っているわけです。したがって、落語から逆に民話になったものもあるので、いちがいに民話の方が古いとは言えないようです」(桂米朝『米朝ばなし 上方落語地図』)
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug128.htm
 大阪の道修町(どしょうまち)は古くから薬問屋がたくさん集まった町である(武田薬品とかシオノギその他、多くの大手製薬会社はこの町に起源を持つ)。全国を回る薬の行商人が商品の仕入れがてら、寄席で落語を聞く事も当然多かっただろう。
 加えて、京大坂の芸人が他の地方を巡業する事もあり、落語家が直に「ネタのネタ」を伝えた事もあっただろう(こちらのパターンの方が自然かも知れない)。

 落語の方のキツネには名前は無いが、民話の方の「お三ギツネ」(「おさんギツネ」とも。場合によって表記が違う)は、中国地方から九州にかけての西日本では、超メジャーな大物スターである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%95%E3%82%93%E7%8B%90
 つまり、落語と民間伝承のキツネがコラボレーションしてできたのが、『お三ギツネと甚べえ』という民話なのだ。(『王子の狐』の方が有名だが、おそらくは『高倉狐』が最初のものだろう。これと逆のパターンで『ちりとてちん』がある。こちらは江戸落語の『酢豆腐』が原典)
【ニコニコ動画】上方落語「ちりとてちん」桂南光
(追記08年11月1日:wikipedia「上方落語」には、「ちりとてちん」は元来上方のネタであり、「酢豆腐」こそが江戸落語へと移植されたもの、とある。私自身は「酢豆腐」が元祖だと聞いているのだが、とりあえず「上方起源説」も併記しておく。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%96%B9%E8%90%BD%E8%AA%9E
 (他に江戸落語→上方落語で有名なものとしては『貧乏花見』がある。これは江戸落語の『長屋の花見』が元だが、上方の方が作りこまれていて「考証」がしっかりしている。朝に降った雨のおかげで長屋の面々が仕事に行きそびれ、暇を持て余したところから「花見にでも行こか」という動機が生まれる件が、実に自然でもっともらしい。前出の『米朝ばなし』にはつまり東京は、大家さんの「花見に行こう」の一言で、あっさり本題に入りますが、こっちは昼の日中に、長屋に人がそろっていることの矛盾を、朝方の雨で仕事に出そびれるという設定にしてある。大家さんが音頭をとったら「ほんなら日当なんぼ出す」と言いかねん連中が、自発的に花見に行こうという気になるまでが、まことに無理がない。大阪落語の理屈っぽい一例ですが。」とある。「気で気を養うちゅうことを知らないかんで、心まで貧乏すな。気は持ちよぉやっちゅうねん。そや、今日は長屋だいぶ仕事に出そびれてるやつが多いさかいなぁ、いっぺん誘そてみよか……」というセリフに、バイタリティとともに貧しい人々なりの気高さが感じられてすばらしい。http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakugo32.htm
(再び追記08年11月2日:桂米朝によると『貧乏花見』も上方が起源だそうな。桂米朝といえば上方落語界きっての「考証の鬼」、その博覧強記振りに優る者無い落語学者である・・・もう何がなんだかわからない)

 ドゴン族に伝わる壁画。「割礼」の儀式の場にあるもの。 伝説や民話というのは不思議なもので、時間の経過がまるで水などの液体の如く伸縮自在に働くようだ。
 わずか百数十年が数世紀分のヴォリュームを持つ場合もあるらしい。
 日本のように落語みたいなフィクションが民話化するケースもあるが、外国では客観的な科学知識がそのまま「伝説」と化す例もあるようである。
 超常現象の好きな人ならご存知かと思うが、アフリカ・マリ共和国のドゴン族に伝わる不思議な創生神話がそれだ。
 おおいぬ座α星、別名シリウス(地球から見て最も明るい恒星)について詳しい知識を有する伝説が未開部族であるドゴン族には伝わっており、そのような近代以降のものであるはずの天文学的知識が伝説に盛り込まれているのはいかにも奇妙だ、と言われている。
 が、実はこれ、たかだか19世紀以降にやって来た西洋人が伝えた知識をアレンジしたに過ぎない、と最近では説明されているのである。
http://www.nazotoki.com/dogon.html
           ・
http://www.fitweb.or.jp/~entity/kodaibunmei/dogonzoku.html
 近代文明とは異なる時間の観念を持つアフリカ人にとっては、たった200年も経たない時間でも、先祖伝来の伝説が出来上がってしまうのである。
 江戸時代の日本人にも、似たようなところがなかったとは言い切れない。
 超有名な『ごんぎつね』(これ、すごく泣いたんですよオレ)などは、言うまでもなく新見南吉による創作民話である。(『まんが日本昔ばなし』でも1時間ものの特番として取り上げられた)
【ニコニコ動画】紙芝居 「ごんぎつね」

 神話、伝説、民間伝承、昔ばなし、民話というものは、どこの国いつの時代でも、再生産され続けるのだ。

【ニコニコ動画】ふしぎ通信 トイレの花子さん

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